新型コロナウイルスにより世間が混乱しております。が、混乱しているだけでは感染予防はできません。 ウイルスの全容はまだ不明ですが、予防に関してはインフルエンザと同様の感染対策が有効と考えられています。 咳エチケット・手洗いうがいが予防の主体となるわけですが、口の中を清潔に保つことも重要な一役を担うかもしれません。 歯みがきをおろそかにしていると口の中が歯垢(プラーク)だらけになります。 この歯垢がインフルエンザの感染に影響していると言われています。 歯垢中の細菌はプロテアーゼという酵素を出し、インフルエンザウイルスが気道の粘膜から細胞に侵入しやすくさせる性質を持ちます。 口の中が、不潔であればプロテアーゼの量も増し、インフルエンザの発症を起こしやすくすることになります。 ある研究を紹介します。 ある老人施設に通う65歳以上の高齢者98人に歯科衛生士による口腔ケアと集団口腔衛生指導を1週間に1回実施しました。 一方、別の老人施設に通う高齢者92人には、自分で日常いつもおこなっている口腔ケアのみを行ってもらいました。 結果、歯科衛生士による口腔ケアを実施した老人施設では、一方の老人施設グループと比べて優位に口の中の細菌数が減少し、 プロテアーゼのはたらきが低下していることがわかったのです。 さらに、インフルエンザを発症した人は、衛生士による口腔ケアを行った老人施設は1名だったのに対し、 自分自身で口腔ケアをおこなった老人施設は1名でした。 この研究結果から口の中を清潔に保てば、インフルエンザの発症を10分の1に減らす事が出来る可能性が示されたのです。 口の中を清潔に保つこと。すなわち質の高い口腔ケアが新型コロナウイルス感染予防につながるかもしれません。 1)阿部修,奥田克爾ほか:日本歯科医学学会誌:25,27-33,2006. ![]()
by okamoto-dc
| 2020-02-29 13:12
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